令和5年度賃貸不動産経営管理士試験問題 問13
【問 13】 建築基準法等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 建築基準法では、内装制限として、火災の発生による建物内部の延焼を防ぐため、その用途規模に応じて内装材料などにさまざまな制限を加えている。
- 賃貸住宅管理業者による日常的な維持管理においては、防火区画のための防火設備の機能を阻害しないような維持管理を行う必要がある。
- 防火区画には、面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画がある。
- 主要構造部には、間柱、小ばり、屋外階段、ひさしも含まれる。

令和5年度賃貸不動産経営管理士試験問題 問13の解説
1.建築基準法では、内装制限として、火災の発生による建物内部の延焼を防ぐため、その用途規模に応じて内装材料などにさまざまな制限を加えている。
建築基準法では、火災時の延焼を防ぎ、火災発生時の煙や有毒ガスの発生を抑え、避難時間を確保するため、建築物の用途や規模に応じて(建築基準法第35条の2)、内装材の不燃性や燃え広がりなどを制限しています(建築基準法施行令第128条の3の2他)。 特に、耐火性能や難燃性の高い材料を使用することが求められます。これを内装制限といい、火災時の安全性を高めるための重要な規定です。
その為、選択肢①は正しいです。
2.賃貸住宅管理業者による日常的な維持管理においては、防火区画のための防火設備の機能を阻害しないような維持管理を行う必要がある。
防火区画は、火災の延焼を遅延させるための重要役割を果たします。その機能を維持するためには、日常的な点検やメンテナンスが欠かせません。 例えば、防火扉が常に閉鎖されているか、防火シャッターの作動に問題がないかなどを定期的に確認する必要があります。賃貸住宅管理業者は、入居者の安全を守るためにも、防火区画の維持管理に十分注意する必要があります。
その為、選択肢②は正しいです。
3.防火区画には、面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画がある。
建築基準法では、火災の延焼を防ぐために、建物をいくつかの区画に分ける「防火区画」の設置が義務付けられています。 防火区画は、それぞれ異なる目的と基準に基づいて設定されており、次の4種類があります。
- 面積区画: 大きな空間を一定の面積ごとに区画する
- 高層区画: 高層建築物の上下方向の延焼を防ぐため区画する
- 竪穴区画: 階段、エレベーターなどの竪穴部分を囲む竪穴部分を区画する
- 異種用途区画: 用途の異なる部分を区画する
これらの区画は、それぞれ異なる目的と基準に基づいて設定されています。
その為、選択肢③は正しいです。
4.主要構造部には、間柱、小ばり、屋外階段、ひさしも含まれる。
建築基準法では、建物の構造上重要な部分を「主要構造部」と定義し、特に高い耐火性能を要求しています。 主要構造部には、壁、柱、床、はり、屋根又は階段ですが、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床、回り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段その他これらに類する建築物の部分を除くとあります(建築基準法第2条5号)。間柱、小ばり、屋外階段、ひさしなどの部材は、二次的な構造部材であり、建物の構造を支える役割は小さい、もしくは、火災時の影響が比較的小さいと判断されているため、主要構造部には分類されません。
その為、選択肢④は誤っています。
