「賃貸不動産経営管理士」の試験まで5日。
今週の日曜日が試験当日です。
試験の予想問題をしていたら、10年前に勉強をした宅地建物取引士の試験のときから変わっていたところがありましたので、少し説明をします。
賃貸借契約と使用貸借契約
毎年、「賃貸不動産経営管理士」の試験に出題されている賃貸借契約と使用貸借契約です。
簡単に書くと、賃貸借契約は有償で賃貸物件での貸し出し・使用貸借契約は無償で賃貸物件の貸し出しとなります。
オーナーさんは事業として賃貸経営をしていますので賃貸物件を無償での貸し出しということはあまりありませんのでそんなに利用することが無い使用貸借契約ですが、試験にはよく出題されます。法律上は、このようになっていると覚えておきましょう。
賃貸借契約とは
賃貸借(ちんたいしゃく)とは、当事者の一方(賃貸人、貸主)がある物の使用及び収益を相手方(賃借人、借主)にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うこと及び引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することを内容とする契約。
wikipediaより引用
賃貸借契約とは、有償(賃料を支払って)にて、貸主より賃貸物件を借りる諾成・有償・双務契約となります。
賃貸借契約は、貸主又は借主の死亡により終了しません。相続人に相続されます。
使用貸借契約とは
使用貸借(しようたいしゃく)は、当事者の一方(借主)が無償である物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することを内容とする契約。
wikipediaより引用
使用貸借契約とは、無償で貸主より賃貸物件を借りる諾成・無償・片務契約となります。
宅地建物取引士の試験の勉強をした時、使用貸借契約は賃貸物件を引き渡すことが必要な要物契約とされていましたが、2017年改正の民法(2020年4月1日法律施行)により諾成契約と変わっています。

使用貸借契約は、貸主の死亡では終了しませんが、借主の死亡で終了します。
使用貸借契約は、借主の相続人に相続されません。無償の契約ですので、その一代限りとなっています。
諾成契約と要物契約
諾成契約とは、
諾成契約とは、当事者の申し込みと承諾という意思表示の合致で契約が有効に成立する契約です。
賃貸物件を借りたいという借主の申し込みに対して、貸主が貸し出してもいいという承諾により成立する契約になります。
基本申し込みと承諾だけの諾成契約ですので、民法上、賃貸借契約や使用貸借契約の成立に書面に署名捺印は必要ありません。(一部、定期借家契約や事業用定期借地など書面で契約をしないと効力を生じないものもあります。)
不動産屋さんに行って賃貸物件を借りようとする場合、重要事項説明書や賃貸契約書などの書面に署名捺印を行う事になります。
貸主と借主の間に不動産屋が入って仲介をする為には必要な書面があります。
要物契約とは、
要物契約とは、意思表示の合致のほかに、目的物の引渡しが契約を有効に成立させるための要件となっている契約です。
賃貸物件を借りたいという借主の申し込みに対して、貸主が貸し出してもいいという承諾後、目的物の引渡し後に成立する契約です。
例えば、お金の貸し借りなどが要物契約に該当します。
お金を借りたいという意思表示と貸してもいいという承諾だけでは、契約は成立しません。実際にお金を貸し出したときに契約は成立します。
先程も記載しましたが、宅地建物取引士の試験の勉強をした時、使用貸借契約は賃貸物件を引き渡すことが必要な要物契約とされていましたが、2017年改正の民法(2020年4月1日法律施行)により諾成契約と変わっています。
双務契約と片務契約
双務契約とは
双務契約というのは、契約の当事者が互いに対価的な債務を負担する契約のことをいいます。
賃貸借契約では、貸主の賃貸物件を使用収益させる義務と借主の賃料を支払うという義務の2つがあり、双方相手に対して債務を負っています。
双務契約は、全て有償になります。
片務契約とは
片務契約とは、契約の当事者の一方だけが債務を負担する契約を片務契約といいます。
使用貸借契約では、貸主の賃貸物件を使用収益させる義務はありますが、無償の契約のなので借主の賃料を支払うという義務はありません。
貸主だけが債務を負う片務契約となります。
片務契約は、有償の場合と無償の場合があります。
賃貸借契約と使用貸借契約のまとめ
- 賃貸借契約は、諾成・有償・双務契約
- 使用貸借契約は、諾成・無償・片務契約
- 賃貸借契約は、貸主又は借主の死亡により終了しません。相続人に相続されます。
- 使用貸借契約は、貸主の死亡では終了しませんが、借主の死亡で終了します。