管理業務の受託(サブリース方式)の場合 平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題 問10




平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題 問10

【問 9】A所有のマンションの一室を、管理業者であるBがAから賃借し、Cに転貸している場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. AB間の月額賃料が20万円、BC間の月額賃料が18万円の場合、CはAに対して20万円の支払義務を負う。
  2. AB間の賃貸借契約が終了し、それがCに対抗できる場合には、CはAに対して賃貸物件の返還義務を負う。
  3. AがAB間の賃貸借契約の更新を拒絶する場合には、更新拒絶の正当事由の判断に当たっては、契約当事者ではないCの事情は考慮されない。
  4. AB間の賃貸借契約とBC間の転貸借契約は別個の契約であるため、Bの債務不履行によりAがAB間の賃貸借契約を解除し、Cに対して賃貸物件の返還を請求しても、BC間の転貸借契約は終了しない。
正しい選択肢を選ぶ問題です。サブリース方式による賃貸管理の内容は下記になります。

「賃貸不動産経営管理士」の試験によく出る問題① サブリース方式と管理受託方式

2020年8月22日

平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題 問10の解説

Aは原賃貸人 Bは管理業者 Cは転借人のサブリースの契約の問題になります。

1.AB間の月額賃料が20万円、BC間の月額賃料が18万円の場合、CはAに対して20万円の支払義務を負う。

滅多にない事ですが、原賃貸契約の賃料より転貸借契約の賃料が低い場合の支払い義務の問題です。

原賃貸借契約で20万円の賃料で受領している原賃貸人A対してですが、転借人Cは18万円での転貸借契約ですので原賃貸人Aに対して18万円までの支払義務を負います。

普通のサブリース契約は、原賃貸借契約の賃料より転貸借契約の賃料の方が高くなっています。その差額分で、管理業者は営業をしています。

原賃貸借契約が18万円で転貸借契約が20万円の転貸借契約のサブリース契約の場合、20万円の転貸借契約で賃貸物件を借りている転借人Cですが原賃貸人Aに対しては18万円の支払義務を負います。

その為、選択肢①は誤っています。

転貸借人の原賃貸人に対しての支払義務は、原賃貸借契約と転貸借契約を比べて低い方の賃料となります。

2.AB間の賃貸借契約が終了し、それがCに対抗できる場合には、CはAに対して賃貸物件の返還義務を負う。

そのままです。

AB間の賃貸借契約(原賃貸借契約)が終了し、それが転借人Cに対抗できる場合は、転借人Cは原賃貸人Aに対して賃貸物件の返還義務を負います。

この問題は、サブリースは関係ありません。

AB間の賃貸借契約(原賃貸借契約)の終了と転借人Cの転貸借契約の対抗の問題です。

AB間の賃貸借契約(原賃貸借契約)が転借人Cの転貸借契約に対抗できる(AB間の賃貸借契約が終了の方が強い)と記載されていますので、転借人Cは原賃貸人Aに対して賃貸物件を明渡し返還義務を負います。

その為、選択肢②は正しいです。

サブリース方式では、賃貸借契約(原賃貸借契約)の解約の仕方により原賃貸人Aと転借人Cの対抗が変わってきます。

  1. 管理業者Bの債務不履行により賃貸借契約(原賃貸借契約)を解約された場合は、原賃貸人Aの方が強くなります。(原賃貸人Aは転借人Cに対抗できる) 原賃貸人Aは転借人Cに対して賃貸物件の明け渡しを請求することにより転貸借契約は終了します。
  2. 原賃貸人Aと管理業者Bの合意により賃貸借契約(原賃貸借契約)を解約された場合は、転借人Cの方が強くなります。(転借人Cは原賃貸人Aに対抗できる)転借人Cは原賃貸人Aに対して賃貸物件の使用収益することの継続(賃貸借契約の継続)を請求することができます。
賃貸不動産経営管理士試験問題では、解約の仕方によって原賃貸人Aと転借人Cのどちらが対抗できるかというのがよく出題されます。

3.AがAB間の賃貸借契約の更新を拒絶する場合には、更新拒絶の正当事由の判断に当たっては、契約当事者ではないCの事情は考慮されない。

原賃貸人Aが原賃貸借契約の更新を拒絶する場合、更新拒絶の正当事由の判断に当たって契約当事者ではない転借人Cの事情も考慮されます。

その為、選択肢③は誤っています。

4.AB間の賃貸借契約とBC間の転貸借契約は別個の契約であるため、Bの債務不履行によりAがAB間の賃貸借契約を解除し、Cに対して賃貸物件の返還を請求しても、BC間の転貸借契約は終了しない。

AB間の賃貸借契約とBC間の転貸借契約は別個の契約であるは正しいです。

選択肢②で説明をしましたが、管理会社Bの債務不履行で原賃貸借契約を解除された場合は、原賃貸人Aは転借人Cに対抗できる。原賃貸人Aは転借人Cに対して賃貸物件の明け渡しを請求することにより転貸借契約は終了します。

その為、選択肢④は誤っています。

正しい選択肢②となります。

「賃貸不動産経営管理士」の試験によく出る問題① サブリース方式と管理受託方式

2020年8月22日


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