令和2年度賃貸不動産経営管理士試験問題 問34
【問 34】 貸主又は管理業者が行う未収賃料の回収等における実務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 貸主が、賃料の未収が生じた際に、訴訟を提起せず強制執行により回収したい場合、借主の同意を得て、未収賃料の支払方法及び支払が遅滞した場合において借主が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている公正証書を作成すればよい。
- 賃料不払のある借主が死亡した場合、管理業者は、連帯保証人に対しては未収賃料の請求ができるが、同居中の配偶者に対しては請求することができない。
- 令和2年4月1日以降に締結した賃貸借契約において、管理業者は、連帯保証人に対しては極度額の範囲内であれば何度でも未収賃料の請求ができる。
- 令和2年4月1日以降に借主と賃貸借契約を更新し、更新後の契約期間中に賃料の未収が生じた場合、管理業者は、同日より前に賃貸借契約の保証人となった連帯保証人に対し、極度額の定めがなくても請求ができる。

令和2年度賃貸不動産経営管理士試験問題 問34の解説
1.貸主が、賃料の未収が生じた際に、訴訟を提起せず強制執行により回収したい場合、借主の同意を得て、未収賃料の支払方法及び支払が遅滞した場合において借主が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている公正証書を作成すればよい。
そのままです。
貸主が、賃料の未収が生じた際に、訴訟を提起せず強制執行により回収したい場合、借主の同意を得て、未収賃料の支払方法及び支払が遅滞した場合において借主が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されている公正証書を作成すれば大丈夫です。
その為、選択肢①は正しいです。
2.賃料不払のある借主が死亡した場合、管理業者は、連帯保証人に対しては未収賃料の請求ができるが、同居中の配偶者に対しては請求することができない。
被相続人の配偶者は、相続人になります。そして、その相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継しますので、借主が死亡した場合、その配偶者は賃料の支払い義務を承継します。その為。管理業者は配偶者に対して未払い賃料の請求をすることができます。
その為、選択肢②は誤っています。
3.令和2年4月1日以降に締結した賃貸借契約において、管理業者は、連帯保証人に対しては極度額の範囲内であれば何度でも未収賃料の請求ができる。
そのままです。
令和2年4月1日以降に締結した賃貸借契約において、管理業者は、連帯保証人に対しては極度額の範囲内であれば何度でも未収賃料の請求ができます。
その為、選択肢③は正しいです。
4.令和2年4月1日以降に借主と賃貸借契約を更新し、更新後の契約期間中に賃料の未収が生じた場合、管理業者は、同日より前に賃貸借契約の保証人となった連帯保証人に対し、極度額の定めがなくても請求ができる。
そのままです。
令和2年4月1日以降に借主と賃貸借契約を更新し、更新後の契約期間中に賃料の未収が生じた場合、管理業者は、同日より前に賃貸借契約の保証人となった連帯保証人に対し、極度額の定めがなくても請求をする事ができます。
その為、選択肢④は正しいです。

連帯保証人と極度額
令和2年4月1日から保証人が個人である場合に限り「極度額」の定めが必要になり、極度額の定めがなければ根保証契約は無効になるという改正がされました。
賃貸契約の保証をする場合、保証する範囲(金額)を設定しないと保証人として成立しなくなりました。
今までの保証人は、無限保証でしたが令和2年4月1日からの保証人は、「極度額」の設定がある有限保証となります。
保証人を擁護する為に法律となります。

因みに保証会社も小さな字で契約書に「極度額」を設定しています。保証会社も事業なのでそこまで滞納額が溜まる前に追い出しをしてしまいますが。