平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題 問28
【問 26】ガイドラインに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 借主は、退去時に壁のクロスの経年劣化及び通常損耗分の張替えについて、ガイドラインで示されている下記のグラフに従い張替え費用を負担しなければならない。
- 経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に借主が故意・過失等により設備等を破損し、使用不能にしてしまった場合には、従来機能していた状態まで回復させるための費用を借主が負担すべきときがある。
- 借主に特別の負担を課す特約については、その特約をする必要性があり、かつ、暴利的ではない等の客観的、合理的理由があり、借主が、特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識したうえで、特約による義務負担の意思表示をすることが、その有効性の要件となる。
- 新築から3年経過後に入居し、選択肢1のグラフの始点を50%と決定していた場合で、入居2年後の退去の際、壁のクロス(耐用年数6年)に借主が修理費用を負担すべき損傷があった。その張替え費用が6万円である場合、このグラフによれば借主が負担すべき金額は1万円である。

平成27年度 賃貸不動産経営管理士試験問題 問28の解説
1.借主は、退去時に壁のクロスの経年劣化及び通常損耗分の張替えについて、ガイドラインで示されている下記のグラフに従い張替え費用を負担しなければならない。
経年劣化及び通常損耗分の張替えは、貸主の負担です。
借主の負担ではありません。
その為、選択肢①は誤っています。
2.経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に借主が故意・過失等により設備等を破損し、使用不能にしてしまった場合には、従来機能していた状態まで回復させるための費用を借主が負担すべきときがある。
そのままです。
経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合、借主が故意・過失等により設備等を破損し、使用不能にしてしまった場合には、従来機能していた状態まで回復させるための費用を借主が負担すべき時があります。
その為、選択肢②は正しいです。
3.借主に特別の負担を課す特約については、その特約をする必要性があり、かつ、暴利的ではない等の客観的、合理的理由があり、借主が、特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識したうえで、特約による義務負担の意思表示をすることが、その有効性の要件となる。
そのままです。
長い分が書かれていますが、原状回復の特約の話です。
ガイドラインと異なった特約を設定することは可能ですが、特約をする必要性があり、かつ、暴利的ではない等の客観的、合理的理由があり、借主が、特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことを認識したうえで、特約による義務負担の意思表示が必要です。
その為、選択肢③は正しいです。
4.新築から3年経過後に入居し、選択肢1のグラフの始点を50%と決定していた場合で、入居2年後の退去の際、壁のクロス(耐用年数6年)に借主が修理費用を負担すべき損傷があった。その張替え費用が6万円である場合、このグラフによれば借主が負担すべき金額は1万円である。
クロスの張替え費用(クロスの価値)が、6万円の場合、クロスの耐用年数が6年ですので毎年1万円づつ減価償却されます。
新築から新築から3年経過後に入居し、入居2年後の退去した場合、5年経過していますのでクロスの残存価値は1万円となります。
借主が修理費用を負担すべき損傷があった場合は、残存価値の1万円を負担するようになります。
その為、選択肢④は正しいです。
