令和2年度賃貸不動産経営管理士試験問題 15
【問 15】 賃貸住宅標準管理委託契約書(国土交通省土地・建設産業局平成30 年3月 30 日公表。以下、本問において「標準管理委託契約書」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 標準管理委託契約書では、同契約が終了したときには、管理業者が保管している金員や関係書類を、新たに賃貸物件の管理を行うこととなる者に引き渡すこととされている。
- 標準管理委託契約書では、委託業務を契約管理業務、清掃業務、設備管理業務、特約業務の4つに分類し、それらの具体的な内容を明示することとしている。
- 標準管理委託契約書では、管理業者が管理業務を行うために必要な情報を提供することは、貸主の義務とされている。
- 標準管理委託契約書では、契約で定めた管理業務を管理業者が第三者に再委託することが認められているが、賃料等の徴収業務、契約更新業務及び契約終了業務を一括して再委託することは禁止されている。

令和2年度賃貸不動産経営管理士試験問題 問15の解説
標準管理委託契約書は、上記のリンクより確認できます。
標準管理委託契約書に記載されている甲は貸主、乙は管理会社となります。
1.標準管理委託契約書では、同契約が終了したときには、管理業者が保管している金員や関係書類を、新たに賃貸物件の管理を行うこととなる者に引き渡すこととされている。
この契約が終了したときは、乙は、甲に対し、目的物件に関する書類及びこの契約に関して乙が保管する金員を引き渡すとともに、賃料の滞納状況を報告しなければなりません。
借主と管理業者の管理契約が終了した場合、甲(貸主)に対し管理業者(乙)は目的物件に関する書類及びこの契約に関して管理業者(乙)が保管する金員を引き渡すとともに、賃料の滞納状況を報告しなければなりません。
賃貸物件の管理上管理会社が預かっている金員や関係書類を引き渡す相手は、貸主になります。
新しく管理を行うこととなる者ではありません。
その為、選択肢①は誤っています。
2.標準管理委託契約書では、委託業務を契約管理業務、清掃業務、設備管理業務、特約業務の4つに分類し、それらの具体的な内容を明示することとしている。
甲は、次の業務(以下「管理業務」といいます。)を乙に委託します。
- 契約管理業務(別表第一に掲げる業務)
- 清掃業務(別表第二に掲げる業務)
- 設備管理業務(別表第三に掲げる業務)
- 特約業務(別表第四に掲げる業務)
標準管理委託契約書で委託業務は、契約管理業務、清掃業務、設備管理業務、特約業務の4つに分類されています。
別紙にて、具体的な内容を明示することとなっています。
その為、選択肢②は正しいです。
3.標準管理委託契約書では、管理業者が管理業務を行うために必要な情報を提供することは、貸主の義務とされている。
甲は、乙が管理業務を行うために必要な情報を提供しなければなりません。
そのままです。
甲(貸主)は、乙(管理業者)が管理業務を行うために必要な情報を提供しなければなりません。
その為、選択肢③は正しいです。
4.標準管理委託契約書では、契約で定めた管理業務を管理業者が第三者に再委託することが認められているが、賃料等の徴収業務、契約更新業務及び契約終了業務を一括して再委託することは禁止されている。
乙は、管理業務のうち、前条各号の業務の一部を、別表第五に従って、他の者に再委託することができます。
2 乙は、前条の規定にかかわらず、別表第一1の業務、同表3の業務及び同表4の業務を、一括して他の者に委託してはなりません。
前条や別紙の内容は、上記の標準管理委託契約書のリンクより確認下さい。
契約で定めた管理業務を管理業者が第三者に再委託することが認められていますが、賃貸管理業者の基幹事務の賃料等の徴収業務、契約更新業務及び契約終了業務の3つは一括して再委託する事は禁止されています。
その為、選択肢④は正しいです。
基幹事務の賃料等の徴収業務、契約更新業務及び契約終了業務の一括での再委託禁止はよく出ますので確実に覚えておきましょう。
